地域の皆様に信頼していただけるホームドクターとして、より細やかな、より丁寧な、診療を心がけています。当院では患者様お一人おひとりの、病状・不安をよく聞いて、最適な治療方法を説明し、治療を進めていくことを大切にしています。病気に関するお悩みがあれば、なんでもお気軽にご相談ください。
院長 山本 正治
「最近、階段を上ると息切れを感じることが増えた」と、年齢のせいだと思っていませんか?息切れの原因はさまざまですが、その中でも見逃してはならないのが心不全です。心不全とは、さまざまな心臓の病気により、息切れやむくみなどの症状が現れる状態を指します。
心不全の主な原因には、弁膜症、狭心症、心筋梗塞、不整脈(心房細動)などが含まれます。また、未治療の高血圧が進行し、心不全を引き起こすこともあります。特に、突然息切れが生じた場合、急性心筋梗塞や重症弁膜症、肺塞栓症などの重篤な疾患が疑われるため、緊急の対応が必要です。
また、喫煙歴のある方が息切れを感じた場合には、COPD(慢性閉塞性肺疾患)という肺の病気も考慮する必要があります。
息切れの原因を特定するためには、詳細な病歴の確認や診察、専門的な検査が必要です。当院では、息切れの診断と治療に積極的に取り組んでおりますので、お気軽にご相談ください。
胸痛は多くの病気で見られる症状ですが、突然の胸痛は重篤な疾患の可能性があるため注意が必要です。特に、急性心筋梗塞、大動脈解離、肺塞栓症などは緊急の対応が求められます。
また、最近、階段や坂道を上がったり、早歩きをしたりすると胸が痛むと感じる場合は、狭心症が隠れているかもしれません。
狭心症の症状は、鈍い痛みや胸を押されるような感覚、胸やけのような違和感、息切れなどさまざまで、痛みが胸だけでなく首、肩、腕に広がることもあります。また、胸痛は心臓以外の原因、例えば気胸や帯状疱疹などでも現れることがあります。胸痛の正確な診断には、詳細な病歴聴取、診察、専門的な検査が必要です。当院では、胸痛で来院された患者様に対して、積極的に診療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
動悸とは、普段は意識しない心臓の鼓動を胸で強く感じることです。多くの場合、その原因は脈の乱れ(不整脈)にあります。動悸が始まるタイミングや治まり方、動悸の症状からある程度、不整脈の種類を推測できますが、正確な診断は心電図で行います。来院時の心電図で異常が見られない場合は、24時間心電計や携帯型心電計を使って追加の検査を行います。また、最近普及しているアップルウォッチなどのウェアラブルデバイスも、不整脈の診断に役立つことがあります。不整脈の中には、放置すると危険な心室頻拍や心房細動といったものも含まれます。また、動悸は重篤な心臓病の一つの症状として現れることもあります。
動悸の診断には、詳細な病歴の確認や診察、そして専門的な検査が必要です。当院では、動悸を感じる患者さんの診療にも力を入れておりますので、お気軽にご相談ください。
突然、短時間(数分以内)意識を失い、倒れてからすぐに回復する現象は「失神」と呼ばれます。この現象が起こる際には、脳血管障害よりも循環器系の病気を考える必要があります。また、「めまい感」(頭から血の気が引く感覚)は、失神の一歩手前である可能性があります。
これらの症状は、一時的な血圧の低下や心拍の停止によって脳への血流が短時間途絶えることで発生します。主な原因として、起立性低血圧(立ちくらみ)、血管迷走神経性失神(自律神経の反射によるもの)、心原性失神(心臓病が原因で生じるもの)があります。特に、最も危険性が高いのは心原性失神です。
心原性失神を引き起こす主な心臓の病気には、不整脈、弁膜症(大動脈弁狭窄症)、肥大型心筋症などがあります。また、肺塞栓症、大動脈解離、肺高血圧なども失神の原因となることがあります。心原性失神を見逃すと死亡率が高く、早急に原因を特定することが重要です。
なお、失神と類似した短時間の意識消失を伴う病気として、てんかんも考えられます。これらの鑑別には、詳細な病歴の聞き取り、診察、そして専門的な検査が必要です。当院では、このような患者様の診療にも積極的に対応しております。お困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
浮腫(むくみ)は多くの方に見られる症状で、特に下肢に現れやすいものです。原因が特定できない軽度の浮腫もありますが、注意が必要な病気として心不全や深部静脈血栓症(下肢の深い静脈に血栓ができる状態)が挙げられます。また、肝臓病、腎臓病、甲状腺疾患などでも浮腫が見られることがあります。さらに、痛み止めや降圧剤(カルシウム拮抗薬)などの薬によっても浮腫が引き起こされることがあります。
心不全による浮腫を放置すると、命に関わる場合があります。また、深部静脈血栓症から血栓が肺に飛び、肺塞栓症という危険な病気を引き起こすこともあります。浮腫の原因を正確に診断するためには、詳細な病歴の確認、診察、そして専門的な検査が必要です。
当院では、浮腫の診断や治療にも積極的に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
医師のアドバイスと禁煙補助薬による治療を行います。
禁煙外来は、医師のアドバイスと合わせて禁煙補助薬を処方してもらえるので禁煙の成功率が高まります。また、一定の要件を満たすことで、禁煙治療に健康保険等が適用されます。禁煙をご希望される方は、一度ご来院のうえ、ご相談ください。「お医者さんと禁煙」を始めてみませんか?(参考資料)日本循環器学会,日本肺癌学会,日本癌学会,日本呼吸器学会:禁煙治療のための標準手順書第6版:2014
当院での治療全体の流れ
●健康保険等を使った禁煙治療では、12週間で5回の診察を受けます。
●はじめに喫煙状況などから健康保険等で治療が受けられるかをチェックします。
●毎回の診察では、禁煙補助薬の処方を受けるほか、息に含まれる一酸化炭素(タバコに含まれる有害物質)の濃度を測定したり、禁煙状況に応じて医師のアドバイスを受けることができます。
「お医者さんと禁煙」すれば、楽に禁煙することができます。
高血圧症とは、持続的に血圧が正常範囲を超えて高い状態を指します。通常、病院で測定した収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の場合に高血圧と診断されます。家庭で測る場合は、収縮期が135mmHg以上、拡張期は85mmHg以上が基準です。高血圧は心血管疾患、腎臓病、脳卒中などのリスクを高めるため、早期発見と適切な管理が非常に重要です。
高血圧の原因には、さまざまな要因が関与しています。まず、遺伝的な要因が挙げられ、家族に高血圧の人がいる場合、そのリスクが高まります。また、生活習慣も大きな要因です。特に、食塩の過剰摂取、過度の飲酒、喫煙、運動不足などが血圧上昇を引き起こします。さらに、持続的なストレスや、加齢によって血管が硬くなることで血圧が上がりやすくなります。睡眠時無呼吸症候群も高血圧の原因となります。これらに加え、原発性アルドステロン症など、特殊な高血圧も存在し、これには特別な治療が必要です。
高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれ、多くの場合、明確な自覚症状がないまま進行することが多いです。そのため、症状が出る前に適切な診断と治療が重要です。放置すると、心臓や腎臓、脳などに大きな負担がかかり、重大な疾患を引き起こすリスクが高まります。
高血圧の診断は、複数回の血圧測定を通じて行われます。血圧は日によって変動するため、数回にわたって測定し、平均値を確認することが必要です。また、必要に応じて血液検査や尿検査、心電図などの検査を行い、原因や合併症の有無を調べます。いびきのひどい方は睡眠時無呼吸症候群の可能性がありこの検査も必要となります。
高血圧の治療には、まず生活習慣の改善が基本となります。具体的には、食塩の摂取量を一日6グラム以下に制限し、バランスの取れた食事を心がけることが推奨されます。さらに、適度な運動、体重管理、禁煙、節酒も重要です。これらの改善に加えて、必要に応じて薬物療法が行われます。降圧薬として、ACE阻害薬、ARB、カルシウム拮抗薬、利尿薬などが処方されることがあります。
高血圧は慢性的な疾患であるため、長期的な管理が必要です。定期的に医療機関を受診し、血圧測定や必要な検査を行い、治療の効果を確認しながら適切な管理を続けていくことが重要です。血圧が安定すれば、正常血圧の方と同じように健康的な生活を送ることが可能です。
当院では、高血圧患者様の管理を積極的に行っており、診断から治療、継続的なフォローアップまで一貫してサポートしております。高血圧に関するお悩みや不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。血圧が安定すれば、正常血圧の方と同じように健康的な生活を送ることが可能です。
狭心症は、心臓に酸素を供給する冠動脈が狭くなり、心筋に十分な酸素が届かなくなることで発生する病気です。主な原因は動脈硬化で、冠動脈の内壁にコレステロールや脂肪が蓄積し、プラークが形成されて血管が狭くなります。この結果、運動や精神的ストレスがかかると胸の痛みや圧迫感が生じます。この状態を「労作性狭心症」と呼び、安静にすることで症状が改善します。一方で、「冠攣縮性狭心症」は、冠動脈が一時的に痙攣し、安静時にも胸痛が発生する病態です。
狭心症の症状には、胸痛、胸部圧迫感、胸やけ感、息苦しさ、肩や腕、顎に広がる痛みなどがあり、これらの症状は数分程度続き、安静にすると軽減します。しかし、症状が長時間続いたり、強くなったり、安静時にも出現する場合は、心筋梗塞の前兆の可能性があり、特に冷汗や吐き気を伴う場合は注意が必要です。
診断には、詳細な病歴と診察が重要です。これに加えて、心電図、運動負荷心電図、心エコー(運動負荷心エコー)などで診断の手がかりを得ます。確定診断や重症度評価には、専門病院で冠動脈CTや冠動脈造影が必要となります。
治療は、生活習慣の改善と薬物療法が基本です。禁煙、食事改善、運動習慣の見直しが推奨され、薬物療法としては、冠動脈を拡張させる薬剤、抗血小板薬、コレステロールを下げるスタチンが主に使用されます。重症の場合は、カテーテルによるステント留置術や冠動脈バイパス手術が必要です。
当院では、胸痛や息切れなどの症状がある患者様を丁寧に診察し、狭心症が疑われる場合は、専門病院での精密検査を含め、最適な治療方針を迅速にご提案いたします。
心筋梗塞は、心臓に血液を送る冠動脈が完全に詰まり、心筋に酸素が届かなくなることで、心筋が壊死してしまう状態です。主な原因は、動脈硬化によって冠動脈内にできたプラークが破裂し、その部分に血栓ができて血管が詰まることです。酸素不足に陥った心筋細胞は急速に壊れ、心臓のポンプ機能が低下します。特に、心筋梗塞の初期には心室細動によって突然心停止が起こることもあります。
典型的な症状は、突然の強い胸の痛み(前胸部痛)です。この痛みは数分から数時間続き、安静にしても改善しません。その他に、息切れ、冷や汗、吐き気、動悸、意識を失うこともあります。痛みが肩や背中、腕、顎、腹部に広がることもあります。
心筋梗塞は緊急事態です。早急な治療が求められます。診断は、心電図や心エコー、血液検査で、心筋が損傷した際に放出されるマーカー(トロポニン)の測定を行い、心筋梗塞が疑われた場合は専門病院で冠動脈造影を行い、詰まっている部分を確認して治療方針を決定します。
最優先の治療は、詰まった冠動脈を再開通させることです。当院では、心筋梗塞が疑われる場合、直ちに専門病院に救急搬送を行います。専門病院では、カテーテル治療(ステント留置術)や冠動脈バイパス術が行われることがあります。また、急性期の治療後は再発を防ぐために、抗血小板薬、スタチン、ACE阻害薬、β遮断薬などの薬物療法が重要です。同時に、禁煙、食事改善、定期的な運動など、生活習慣の見直しも必要です。
当院では、強い胸痛だけでなく、胸の不快感、胸やけ、息苦しさ、吐き気など、一見すると心筋梗塞らしくない軽い症状で来院された方からも多くの心筋梗塞が見つかっています。症状が軽くても、必ずしも病気が軽いわけではありません。気になる症状があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
心不全は、心臓が全身に十分な血液を送り出す能力が低下し、息切れやむくみ、疲れやすさなどの症状が現れる病気です。主な原因として、虚血性心患(狭心症や心筋梗塞)、高血圧、心臓弁膜症、心筋症などが挙げられます。これらにより心臓のポンプ機能が低下します。また、高齢者にみられる心アミロイドーシスや、難病である心サルコイドーシスなど、特殊な原因もあります。心不全は進行性の病気で、初期には無症状または軽い症状しか見られないことが多いですが、適切な治療を受けないと重篤な状態に至ることがあります。
主な症状は息切れ、疲労感、むくみです。特に運動や階段を上る際に息切れを感じやすくなり、進行すると安静時でも呼吸困難を感じることがあります。夜間に横になると息苦しくなり、枕を高くして寝る必要が出ることもあります。靴を履くなどの前かがみの動作で息苦しさを感じることもあります。むくみは主に足や足首に現れ、体重増加の原因にもなります。
心不全の診断には、詳細な病歴の確認と診察(頚静脈の観察や聴診)が重要です。さらに、胸部レントゲン、心電図、心エコー、血液検査などが用いられます。特に心エコー検査は心臓のポンプ機能を評価し、心不全の原因や重症度を判断するために重要です。当院では、運動負荷を併用した心エコーを実施しており、隠れた心不全の診断も可能です。また、血液検査ではBNPやNT-proBNPといった心不全のマーカーを測定します。これらは院内で15分ほどで結果が判定可能です。
心不全の治療では、まず原因となる疾患の治療が重要です。特に虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)や弁膜症の場合、原因疾患の治療が不可欠となります。そのため、必要に応じて専門病院をご紹介します。薬物療法としては、利尿薬、ACE阻害薬やARB、β遮断薬、最近ではARNIやSGLT2阻害薬などが用いられます。これらの治療が効果を示さない重症例では、心臓再同期療法(CRT)や植込み型除細動器(ICD)などのデバイス治療が検討されます。また、心不全が進行し弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)を合併した場合には、カテーテルを用いた僧帽弁修復術(TEER)が行われることもあります。
当院では、症状や病歴に基づいた診察をもとに心不全の診断を迅速に行い、原因疾患や重症度を評価し、最適な治療方針をご提案します。ご不安な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
弁膜症は、心臓の弁が正常に機能しなくなる疾患です。心臓の弁は血液の逆流を防ぐ重要な役割を担っていますが、弁が狭くなる「狭窄」や、完全に閉じなくなる「閉鎖不全」によって血流が乱れます。最も一般的な弁膜症は、大動脈弁狭窄症と僧帽弁閉鎖不全症で、特に高齢化に伴い増加傾向にあります。
弁膜症の主な症状には、息切れ、疲労感、むくみ、動悸などがあり、初期には症状が現れないこともあります。しかし、進行すると心不全を引き起こす可能性があります。重症の場合、めまいや失神、胸痛が見られることもあります。
診断には、まず詳細な病歴聴取と診察(特に聴診)が重要です。多くの場合、聴診だけで診断の目安がつきますが、正確な評価には心エコー検査が必要です。これにより、弁の動きや血流の異常を確認し、弁膜症の種類や重症度を評価します。専門的な施設では、心臓カテーテル検査やCTスキャンも併用されることがあります。
軽度の場合は薬物療法で管理しますが、重症例では外科的治療が必要です。大動脈弁狭窄症の場合、弁置換手術が一般的です。最近では、開胸手術を行わずに弁を置換する経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)が、高齢者やリスクの高い患者に対して増加しています。重症の僧帽弁閉鎖不全症には、開胸による弁置換手術や修復術が行われますが、リスクの高い患者にはカテーテルによる修復術(TEER)も選択肢となります。
当院では、息切れなどの心不全症状や心雑音を指摘され、弁膜症が疑われる患者様に対して速やかに精密検査を行い、最適な治療方針をご提案いたします。お気軽にご相談ください。
心房細動は、心房が不規則かつ速く収縮する不整脈の一種です。この状態が続くと、心房内で血液が滞りやすくなり、血栓ができやすくなるため、脳卒中のリスクが高まります。原因には、高血圧、心臓弁膜症、甲状腺疾患、飲酒などが挙げられますが、明確な原因がなくても、加齢とともに心房細動のリスクが増加します。
症状としては、動悸、息切れ、倦怠感などがありますが、無症状の場合も少なくありません。心房細動の診断には心電図が用いられます。診察時に不整脈が確認されなくても、一時的に心房細動が発生することがあり、そのため普段からご自身で脈を確認することをお勧めしています。最近では、AppleWatchなどのデバイスを使って心房細動を記録することも可能です。当院では、診察時に心房細動が確認できない場合に備えて、ホルター心電図による長時間の心電図記録や、携帯型心電計の貸し出しを行い、より詳細な検査を実施しています。また、心房細動の患者さんでは、心不全や心臓弁膜症が合併していることがあり、これらを詳しく調べるために心エコー検査も行っています。
治療の最重要ポイントは、血栓の形成を防ぐための抗凝固療法です。ワルファリンや直接経口抗凝固薬(DOAC)が一般的に使用されます。また、心拍を正常に保つための薬物療法や、根本治療を目指すカテーテルアブレーションも治療の選択肢です。カテーテルアブレーションは特に近年大きく進歩しており、当院ではこの治療を適応のある患者様には積極的にお勧めしています。なお、カテーテル治療は循環器専門病院で行われます。心房細動は無症状であることも多いですが、脳梗塞の危険性や、長期間の心房細動による心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症)や心不全を合併するリスクがあります。そのため、適応がある場合には根治治療が推奨されています。
当院では、動悸や脈の乱れなどで心房細動が疑われる患者さんに対し、迅速に診断を行い、最適な治療方針をご提案いたします。お気軽にご相談ください。
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