
気温の上昇にご注意を
梅雨が明け、いよいよ本格的な夏の厳しい暑さがやってまいりました。これからの季節、心臓や血管に負担をかけずに健やかに過ごすための健康管理のポイントです。
- 計画的な水分補給:喉が渇く前に水分を摂りましょう。※持病による水分制限がある方は主治医の指示に従ってください。
- 適切な冷房の利用:室内でも熱中症のリスクがあります。無理せずエアコンを活用しましょう。
- 継続的な減塩:夏場もバランスの良い食事を心がけ、塩分の摂りすぎには注意してください。
- 日々の血圧測定:暑さや脱水で血圧が変動しやすいため、毎日のチェックを忘れずに。
体調に少しでも異変を感じたら、無理をせずお早めにご相談ください。
心不全の患者様が増加しています
心不全の予防と早期発見にために
1. 心不全のステージと早期予防の重要性
- 高齢化に伴い心不全患者が急増しており、入退院を繰り返すことで生活の質(ADL)が低下し介護が必要になるケースが多いため、発症前の対策がとても重要です。
- 心不全は進行度に応じてステージ分類されており、症状が出現する前(ステージA・B)の段階でリスクを正しく評価し、発症(ステージC)を予防することが求められます。
2. 心不全の診断と早期発見の目安
- 心不全リスク段階(ステージA): 高血圧、動脈硬化、糖尿病、慢性腎臓病(CKD)、肥満などの生活習慣病があるけれど、心臓の異常や症状はない状態です。見逃しを防ぐため、少なくとも1年に1回は血液検査で「BNP」または「NT-proBNP」という心臓の負担を示す数値を測定することが推奨されます。
- 前心不全段階(ステージB): 血液検査でBNPが35 pg/mL以上、またはNT-proBNPが125 pg/mL以上の場合や、検査で心臓の構造や動きの異常(心肥大、弁膜症、心筋梗塞の跡、心房細動など)が見つかった状態です。この段階では、少なくとも1年に2回の数値測定や、定期的な心電図・胸部X線検査を行います。
- 専門医との連携: ステージB(前心不全)と判断された場合は、心不全への進行を防ぐために早期の対応が必要です。一度は専門医への受診をお勧めします。
- 心不全を疑うサイン(ステージCへの移行): 体の異変として「疲れやすい」「だるい」「息切れ」「夜間に息苦しくて目が覚める」「足のむくみ」「1週間に2kg以上の急激な体重増加」などの症状や所見がみられた場合は、心不全を発症している可能性があるため、速やかに循環器専門医の受診が必要です。心エコーなどの精密検査や適切な治療を開始する必要があります。これらの症状が気になる方は気軽に当院にご相談ください。
3. 心不全の発症を防ぐ予防と治療
- 健康的な生活習慣の維持: ステージA・B共通の基本として、定期的な運動、適切な体重管理(BMI25未満の維持)、減塩(食塩1日6g未満)や野菜・果物を中心とした食生活、禁煙、節酒、感染予防などを心がけます。
- 高血圧の厳格な管理: 診察室血圧130/80 mmHg未満(家庭血圧125/75 mmHg未満)を治療目標とし、生活習慣の改善で達成できない場合は、早期から適切な降圧薬(Ca拮抗薬、ARB/ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬、ARNIなど)を組み合わせてしっかりと血圧を下げます。
- 糖尿病の治療: 糖尿病は心不全リスクを2〜4倍に高めるため、低血糖を避けつつ、心不全の予防効果が証明されているお薬(SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬など)の投与を検討します。
- 慢性腎臓病(CKD)の治療: 腎機能の低下や蛋白尿の有無に応じて、ACE阻害薬/ARBやSGLT2阻害薬、フィネレノンなど、腎臓と心臓の双方を守る効果があるお薬を適切に併用します。
- 持病(心疾患)の管理: 心筋梗塞の既往がある場合は再発予防のための薬物治療(抗血小板薬やスタチンなど)を行い、心臓の動きが低下している場合はβ遮断薬などを導入します。弁膜症は定期的な心エコーで手術のタイミングを評価し、心房細動がある場合は、早期から専門医と連携して抗凝固療法やアブレーション治療などを検討し、心不全や脳卒中のリスクを下げます。